「家を出たい。でもお金がない」。
検索すると、寮付きの仕事や物件サービスの紹介がたくさん出てきます。
どれも選択肢の一つですが、その前に決めておきたい順番があります。
この記事の結論は3つです。
- 今夜が危ないなら、お金より安全が先。18歳未満かどうかで相談先が変わります。
- お金は「使えるお金」「契約時の総額」「毎月の総額」の3つに分けて書き出す。足りない分は、一人で抱えず公的な窓口で相談できます。
- 住まいは家賃の安さだけで選ばない。仕事を辞めたとき、関係がこじれたときにも住み続けられるかで比べます。
家を出たい理由を、ここで説明する必要はありません。
自分を責めずに、できるところから読んでください。
まず「どれくらい急ぐか」で、やることを分ける
家を出る方法を調べる前に、自分の状況がどれに近いかを確かめてください。
急ぎ具合によって、最初にやることがまったく違います。
- 今夜、家にいるのが危ない:暴力を受けている、身の危険を感じる。
→ 次の「今夜危ないとき」へ。お金の計算は後回しで構いません。 - 数週間〜数か月のうちに出たい:毎日がつらいが、今夜の身の安全は保てる。
→ お金の書き出しと公的な窓口への相談を並行して進めます。 - 半年以上かけて準備できる:計画的に離れたい。
→ 貯める・住まいを比べる・必要な書類をそろえる、を順番に進めます。
検索上位の多くは3つ目の「計画的に出る」人向けの内容です。
1つ目・2つ目に当てはまる場合は、この記事の前半を優先してください。
今夜危ないとき:お金より先に安全を確保する
身の危険が差し迫っているときは、迷わず110番に電話してください。
お金がないことは、助けを求めない理由になりません。
18歳未満なら児童相談所につながる「189」
こども家庭庁によると、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」にかけると近くの児童相談所につながります。
通話料は無料で、匿名でも相談でき、相談した人や内容の秘密は守られるとされています(一部のIP電話はつながりません)。
同じページでは、虐待以外の相談ができる児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783」や、24時間子供SOSダイヤル「0120-0-78310」も案内されています。
「虐待かどうか分からない」段階でも、まず電話して構いません。
18歳以上なら、住まいと生活の相談窓口へ
緊急でなくても今夜の居場所に困る場合は、後で紹介する「すまこま。」や地域の自立相談支援機関に相談できます。
知人の家やネットカフェに一時的に避難するのは、あくまで数日をしのぐ手段です。
その間に相談の予約を入れておくと、次の住まいにつなげやすくなります。
18歳未満と18歳以上では、できることが違う
家を出る計画を立てるうえで、年齢は大きな分かれ目です。
法務省の成年年齢引下げの案内によると、2022年(令和4年)4月1日から成年年齢は18歳になりました。
民法の成年年齢には「一人で契約を結べる年齢」と「親権に服さなくなる年齢」という意味があります。
- 18歳以上:部屋を借りる、携帯電話を契約するなどを、親の同意なしに自分で決められます。そのぶん、契約内容を読み、支払いを続けられるかを自分で確かめる責任があります。
- 18歳未満:親権のもとにあるため、一人で部屋を借りて家を出るのは現実的に難しいことが多いです。つらい状況があるなら、児童相談所など子どもの相談を受ける機関につながることが先になります。
「18歳になったらすぐ出る」と決めている人は、今のうちに次の章のお金の書き出しと、必要な書類の確認を始めておくと当日慌てずにすみます。
親に居場所を知られたくないとき:住民票の交付制限
家を出たあとの一番の不安が「親に新しい住所を調べられないか」という人もいると思います。
これは検索上位の記事ではほとんど触れられていませんが、とても大事な点です。
総務省の「DV等支援措置」では、配偶者からの暴力、ストーカー行為、児童虐待、これらに準ずる行為の被害者が市区町村に申し出て支援の必要性が確認されると、加害者側からの住民票の写しや戸籍の附票の写しの交付などが制限されます。
- 原則として、まず警察・配偶者暴力相談支援センター・児童相談所などの相談機関に被害を相談します。
- そのうえで、住民票のある市区町村などに申出書を提出します。市区町村は相談機関の意見などで必要性を確認します。
- 期間は確認結果の連絡日から1年で、終了の1か月前から延長を申し出られます。
自分のケースが対象になるかは、相談機関と市区町村の窓口で確認してください。
住所変更の手続きをする前に相談しておくと安心です。
お金は「3つの数字」に分けて書き出す
「お金がない」を「いくら足りないか」に変えるだけで、相談も計画も進めやすくなります。
紙かスマホのメモに、次の3つを書き出してください。
- 使えるお金:現金、預貯金、次に入る給料やアルバイト代とその日付。
- 契約時の総額:住まいに入るときに一度に払うお金。賃貸なら敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・保証会社の利用料・火災保険料などが見積もりに入ることがあります。加えて引っ越し代と、最初の給料日までの生活費。
- 毎月の総額:家賃(共益費を含む)、光熱費、通信費、食費、交通費、保険料など。
金額は地域や物件で大きく変わるため、ネットの平均額をそのまま当てはめず、候補の見積もりで確かめてください。
分からない欄は空けずに「要確認」と書きます。
見落としやすいのが「毎月の総額」です。
初期費用をなんとか払えても、翌月から収入を上回るなら生活は続きません。
毎月の総額が手取り収入を下回るかを、住まい選びの最初の条件にしてください。
お金が足りないときに使える公的な窓口
書き出して不足が見えたら、契約を急ぐ前に相談できます。
どれも「使えるかどうか」は条件や地域によって変わるため、該当するか窓口で確認してください。
何でも相談できる入口:自立相談支援機関
厚生労働省の各種相談窓口・給付制度等の案内では、生活に困りごとや不安を抱えている人が地域の自立相談支援機関に相談でき、必要な制度やサービスを一緒に考えて計画を作ると説明されています。
家計管理の支援、滞納の解消、貸付のあっせんなどを行う家計改善支援もあります。
「家を出たいがお金が足りない」という段階で相談して構いません。
家賃の支援:住居確保給付金
厚生労働省の生活困窮者自立支援制度のページによると、住居確保給付金は離職などで住居を失った人、または失うおそれの高い人で、資産や収入などの要件を満たす人に、就職活動などを条件として一定期間、家賃相当額を支給する制度です。
実家を出たいという理由だけで対象になるとは限りません。
申請・相談は住居確保給付金の相談窓口から地域の自立相談支援機関を探せます。
最低限の生活を支える制度:生活保護
厚生労働省の生活保護制度のページによると、相談・申請の窓口は住んでいる地域の福祉事務所です。
生活保護は世帯単位で行うのが原則とされているため、親と同居しているかどうかで判断が変わることがあります。
自分の状況でどう扱われるかは、福祉事務所で相談してください。
どこに相談するか迷ったら:すまこま。
厚生労働省のすまこま。は、住まい・お金・仕事・家族関係などの相談を受けて、全国の自立相談支援機関につなぐ窓口です。
無料で、メール相談は24時間受け付け、緊急性がない限り匿名で相談できると案内されています。
窓口に行く勇気が出ないときの最初の一歩にも使えます。
相談するときは、今夜の安全、いつまでに住まいが必要か、書き出した3つの数字を、話せる範囲で伝えるとスムーズです。
住まいの選択肢は「失ったときどうなるか」で比べる
お金がないときの住まいとしてよく挙がるのは次の4つです。
家賃の安さだけでなく、仕事を辞めたとき・人間関係がこじれたときにどうなるかも比べてください。
賃貸住宅(一人暮らし)
自分の名前で契約する分、生活の自由と安定は大きい選択肢です。
一方で契約時の総額が高くなりやすく、保証人を立てられない場合は保証会社の利用が条件になる物件もあります。
18歳以上なら親の同意は不要ですが、審査や必要書類は物件ごとに確認が必要です。
シェアハウス
家具・家電付きの物件もあり、一般の賃貸より入居時の負担を抑えられる場合があります。
ただし、地域や空室の状況は物件によって違います。
表示された家賃だけで決めず、契約時の総額、毎月の総額(共益費・光熱費の扱い)、契約期間、退去時の条件を確かめてください。
共用部分の使い方や生活の決まりも、内見や問い合わせで確認すると安心です。
東京で探す場合は、家具家電付きで入居時の負担を抑えやすい物件を扱うサービスもあります。
候補の一つとして条件と総額を比べてみてください。
家具家電付き・家賃4万円〜の【シェアドアパートメント】
クロスハウスは、東京で家具家電付きの物件を扱う住まいのサービスです。今夜の安全が確保できていて、東京で初期費用を抑えた住まいを比べたい人は、候補の一つとして見ておくと相場感がつかめます。
- ✓家賃4万円〜、ベッド・机・冷蔵庫・Wi-Fiなど備え付け
- ✓敷金・礼金・仲介手数料0円で借りられる物件あり
- ✓来店不要のWEB契約。入居後の物件移動も無料
※18歳以上が対象です(年齢の上限あり)。家賃・空室・キャンペーン・入居条件は物件や時期で変わります。契約前に総額と条件を必ず確認してください。
寮付き・住み込みの仕事
仕事と住まいを同時に得られるため、手元のお金が少ない人向けとして多くの記事がすすめています。
見落とされがちなのは、仕事を辞めると住まいも失う点です。
体調を崩したり職場が合わなかったりしたとき、次の住まいを探す余裕がないまま退去になるおそれがあります。
応募前に、寮費や光熱費が給料からいくら引かれるか、退職時にいつまで住めるかを書面で確認してください。
知人の家・ネットカフェ
今夜をしのぐ手段としては役に立ちます。
ただ、関係がこじれたり所持金が尽きたりすると、急に行き場を失いかねません。
「数日の避難」と割り切り、その間に相談窓口や次の住まいにつなげてください。
家を出る前にそろえておきたいもの
家を出たあとに取りに戻れなくなると、契約や手続きで困ることがあります。
可能な範囲で、次のものを手元に置いておきましょう。
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)と健康保険の資格が確認できるもの
- 自分名義の預金通帳・キャッシュカード
- スマートフォンと充電器。親名義で契約している場合は、契約や位置情報の共有設定を親が確認できる可能性がないか見直す
- 常用している薬、お薬手帳
- 書き出した3つの数字と、相談先の連絡先のメモ
親に知られずに準備したい場合は、無理に全部をそろえようとしなくて大丈夫です。
安全を優先し、足りない書類は相談先に「手元にない」と伝えてください。
再発行などの方法を一緒に考えてもらえます。
よくある質問
貯金がほぼゼロでも家を出られますか?
方法はありますが、契約時の総額と毎月の総額が払える見通しを立ててから動く方が、あとで困りにくくなります。
まずは3つの数字を書き出し、足りない分は自立相談支援機関やすまこま。に相談してください。
寮付きの仕事は入居時の負担を抑えやすい一方、仕事を辞めると住まいも失う点に注意が必要です。
無職でも一人暮らしの部屋は借りられますか?
審査の基準は物件や保証会社によって違うため、一概には言えません。
収入がない状態で契約を急ぐより、先に公的な窓口で家計や仕事探しの相談をしておくと、選べる道が広がることがあります。
親に反対されています。18歳以上なら勝手に出ていいのですか?
18歳以上は、部屋の契約などを親の同意なしに自分で決められる年齢です。
話し合うかどうか、いつ伝えるかも自分で選べます。
ただし、実家に残す荷物や郵便物、スマホの名義などが後で連絡のきっかけになることもあるので、出る前に整理しておくと安心です。
18歳未満で、もう家にいられません。
一人で部屋を借りるのは難しいことが多いため、まず児童相談所の「189」や相談専用ダイヤル「0120-189-783」に電話してください。
無料で、匿名でも相談できます。
身の危険がある場合はすぐに110番へ。
親に新しい住所を知られない方法はありますか?
DVや児童虐待などの被害がある場合、住民票の写しなどの交付を制限できる「DV等支援措置」があります。
まず相談機関に相談し、そのうえで市区町村に申し出ます。
対象になるかは窓口で確認してください。
まとめ:お金がないときほど、順番が味方になる
- 今夜危ないなら安全が最優先。18歳未満は「189」、緊急時は110番。
- お金は「使えるお金」「契約時の総額」「毎月の総額」の3つに分けて書き出す。
- 足りない分は、自立相談支援機関・すまこま。・福祉事務所で相談する。制度は該当するか窓口で確認。
- 住まいは「仕事や関係を失ったときにどうなるか」まで比べて選ぶ。
- 居場所を知られたくないなら、住民票の交付制限を相談機関に相談する。
家を出たいと思うのは、わがままではありません。
あなたが安心して暮らせる場所を探すための、まっとうな一歩です。
一度に全部決めなくていいので、今日できることを一つだけ選んでみてください。


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